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手軽にタブレットPCを実現する「Navi-Monitor」(β版レビュー)

実機のβ版を借り受けることができたので、早速レビューします。
数年前、navinoteを購入し(正確には他メーカー品/中身ほぼ同じ)レビューしましたが、今回は同じメーカーから「Navi-Monitor」という新製品が発売されました。

これは17インチモニター専用の後付け型超音波方式ペンタブレットユニットで、17インチモニターであればほぼ何でもペンタブレットマシンになってしまうという製品です。

方式としてはnavinoteと同じで、ペンの位置を超音波と赤外線によって検出しペンタブレットを実現します。
ここは17インチ液晶で試したいのですが、あいにく17インチの液晶モニターは使用していません。
そこで、以前使用していたsony製の17インチCRTモニターを使用します。
液晶モニターは手配できたらレビューする予定。

早速設置開始

monitor
(古いSONY製CRTモニター)

見た目はアクリル板の上部左右にディスプレイに引っ掛ける金具のような読取部がある構成で、モニターフィルターのような感じ。


(正面)
この読取部左側からパソコンと接続するUSBケーブルが、右側から有線接続ペンのケーブル(約90cm)が出ている。


(裏側/はがれて見えるのは輸送用保護シート)

ドライバーをインストール

さて、まずドライバーをインストールしなければならないが、β版の簡易説明書によると先にUSBを接続しなければならない様子。
そこで、説明書通りに接続。ドライバーをインストールします。手順としては、最初にnavimonitor本体をディスプレーに設置しなくてはなりません。
そこでnavimonitor本体を持ち上げますが、非常に軽い。拍子抜けする程軽いです。
これをディスプレイの上端に引っ掛けて、裏についているマジックテープで固定します。


(マジックテープで固定)

上下左右が大体真ん中に来るようにくっつければ設置終了。
あっけない程簡単に終わりました。


(設置後)

そしてUSBを本体に接続。
左上部の読取部から引き出されているこのUSBケーブルはちょっと短いような気がします。(約1.3メートル/実測)
モニターの近くに本体がある場合には問題ない長さですが、もうちょっと長い方が取り回しがいいかも。(理由は後で)

USBケーブルを接続後、すぐ読取部が赤く光りました。
赤く光る

ドライバーCDを挿入、自動的にインストーラーが起動して次へボタンを押し、これもあっけなくインストール完了。インストール画面

接続直後からポインターが震え始めました。
一瞬デバイスがコンフリクトを起こしたのかと思いましたが、navimonitor本体設置時にモニターの上にペンを置いたままなのが原因と判明。画面から放すと止まりました。

ペン

タスクバーにアイコンが出るので、そこからキャリブレーションを選択します。
pocket pcを使用している人ならわかると思いますが、似た感じで白い背景に十字のタップポイントが画面上の四隅と真ん中に出るのでこれを順にタップして座標を調整します。
キャリブレーションといってもこれだけ。
ここまですると使えるようになります。

売りは強力なホバリングとマウスボタン機能

インストール後、デスクトップのフォルダーなどをクリック(ペンタブレットではタップといいます)していましたが、ペン先を画面から浮かせてポインターを動かす「ホバリング機能」が非常に強力なことに気がつきました。
画面から10cmくらい離してもポインターが動きます。

代表的なワコム製タブレットでは約1cmが限界なので、こ れは特にアイコンやウィンドウをつかんで移動するなどの動作が神経を使わずに楽にできます。
実用的には3〜5cm程度、あまり離しすぎると位置が不正確になりポインターが震えてしまいます。

簡単なお絵描きにも

os付属の「paint」を使ってみました。
元々このソフトはマウスを使って書かれることを前提に作られていますが、ペンを使うことができればそれこそ紙に書くように画面へ直接描いていくことができます。
文字の記入はもちろん、簡単なイラストなどもマウスを使うより格段に書きやすいです。

paint
タブレットPCエディションでなければ、タブレットPCに搭載しているソフトウェアは使えませんが、簡単に注釈などを書き入れて覚え書き代わりにしたりということではxp home editionなどでも何の問題もなく可能となります。

意外に使いやすいOSの基本操作

通常マウスを使うことを前提に作られたデスクトップosの場合、このような特殊なインターフェースでは使いにくく感じるものです。
しかし、navimonitorの場合ここで強力なホバリング機能が効いてきます。

(動画)

OSのあらゆる操作が比較的画面からペンが離れていても操作できるため、モニターをレーザーポインター(LEDなどで黒板などを指し示すペン型のライト)で指し示している感覚があります。
さらにそのままマウスボタン機能で左右クリックができるので、OS操作が比較的楽にできます。
画面と別の場所でペンを動かさなくてはならない大半のペンタブレットに比べれば、ペン先を置いた場所で描く、操作できるというのは一度体感すると元に戻れません。
それほど画面がペンタブレットになる、というのは自然なインターフェースだといえます。

では、デメリットは?

ほとんど利点だけ書いてきましたが、気になる点がいくつか。
まず、通常のモニターをペンタブレットにするため画面が垂直なままペンを使わなくてはならないことです。
これは黒板や白板にペンで書くのと同じ感覚ですが、腕を前にだしてペンを操作しなければならずこの体勢での長時間使用は疲れやすいです。

ペンの持ち方1

そこで、持ち方を変えてみました。
白板や黒板に書く書き方をすると、この方が使いやすく感じます。
マウスボタンは親指で操作。結構快適。

ペンの持ち方2

ただし、液晶モニターを使ってディスプレイアームなどを使うと違ってくるかもしれません。
使うときに手元に引き寄せて画面を上に向ければ、液晶ペンタブレットそのものです。
最初の方でUSBケーブルが長い方が取り回しがいいと書いたのはこのためです。
短いと手前にディスプレイを引き寄せにくくなります。
この辺は使いこなし方次第といえます。

また、アクリル板がついているため反射があります。
ここはアクリル板ではなく、画面保護フィルムのようなものを画面に直接はり付けると、より直接書き込んでいる感覚が得られそうです。
ただし、この場合には気軽に取り外すことができなくなりそうですので、一長一短といったところ。
それ以外では、アクリル板への傷や指紋が気になる。画面から少し離れるので視差が出やすい。筆圧機能がない。17インチ固定であること。
画面の大きさは、17インチ以下でもnavimonitorがモニターフレームからはみ出しますが、キャリブレーションすれば操作にはたぶん問題ないはずですのでこのままでも15インチ程度までなら何とかなりそう。

それから、ペンホルダーがあるといい。
ペンクリップがついているのですが、これって有線ペンなので意味がないのでは?
このクリップを使ってどこかに引っ掛けられると便利かも。
本体には引っ掛けられるような薄い部分がないので、直接置くしかありません。(アクリル板のふちはちょっと厚い)
それから、タップによるモニタースリープからの復帰はできませんでした。

総合的な評価は?

なんだかんだいっても現時点でこれだけ気軽に設置できる後付けペンタブレットは他にありません。
重量も軽く、最近の液晶モニターでもこの程度の重量であれば負担にはならないはず。
また、マジックテープで固定されるので取り外しも簡単で、読取部の突起(約6cm)を除けばアクリル板の厚さ(約3mm)しかありません。

後付け有線接続なので、ケーブルが少々美しくないですが、これは設置の仕方次第で目立たなくすることは可能です。
上にも書きましたが、ディスプレイアームのようなものでディスプレイを動かしやすくすると非常に使い勝手が良くなりそうです。
表面の反射は気になりますが、ペンを使うときはディスプレイの近くに寄るのでそれほど気にならないでしょう。

ということで、グラフィックスタブレットのような正確なオペレーションは苦手なものの、気軽にかつ廉価に今のパソコン環境に追加できるパソコン用インターフェースとして考えれば、モニターごと取り替えなければならない従来の液晶ペンタブレットと比べて、用途によっては検討する価値は十分にあるでしょう。

特に次期windows osにはタブレットPC向けの機能が統合されるといわれています。
今使っているパソコンを買い替える場合でも、モニターはそのままという人は多いと思います。
そんなとき、本格的なグラフィックスタブレットは必要ないが、ちょっとした手書きでの書き込みや統合されるペンタブレットの機能を使いたい場合には、個人でも十分検討の価値はあるでしょう。
一昔前のパソコンを子ども用お絵描きマシンとして使う場合にも画面とは違う場所に描かなくてはならないグラフィックスタブレットより直感的に使えます。

それなりに改善の余地はあるものの、使い方次第ではコストパフォーマンスに優れたペンタブレットユニットといえます。
CADやグラフィックなど正確なオペレーションが必要だったり、corel painterなど高機能なペイントソフトウェアでイラストを描くなどの場合ならワコム製にアドバンテージがありますがちょっとした指示や覚え書きの書き込み、os操作程度ではオーバースペックで高価に感じます。
少しだけ未来の機能を先取りしたい場合にはうってつけの製品といえます。

株式会社エヌシーテックからの補足情報として
「「Navi-Monitor」はWindows2000,XPではHID*としてドライバーが必要ありません。
CDの内容はキャリブレーション設定ソフトと座標処理関連システムソフトです。
Windows98SE/MEに関しては現在はサポートしておりませんが、今後ドライバー提供を考えております。」
とのこと。
*HID=Human Interface Device/マウスなどと同じos標準インターフェースドライバーがつかえる機器

NCtech
Navi-Monitorを購入する
2005.7.15up 以上

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